ジャック・カルティエ
淡いピンクの花びらを幾重にも重ね、中心に小さなボタン・アイをのぞかせるジャック・カルティエ。繰り返し花を咲かせるポートランド系のオールドローズです。
今回紹介するのは、淡いピンクの多弁花を咲かせるジャック・カルティエです。

写真は、2026年5月7日に撮影したものです。
淡いピンクの花びらがぎっしりと重なり、大きなロゼットを作っています。花の外側は白に近いほど淡く、中心へ向かうにつれて少しずつピンクが濃くなります。中央の花びらが内側へ折れ込み、小さなボタンのように見えるところも、この花の特徴です。
葉は大きく、表面には葉脈がはっきりと浮かびます。短い花茎の先に花がつき、そのすぐ下まで葉に包まれる姿は、ポートランド系の特徴をよく表しています。
コント・ドゥ・シャンボールと同じ作出者
ジャック・カルティエは、1868年にフランスのモロー=ロベールによって発表されたポートランドローズです。この庭で育てているコント・ドゥ・シャンボールも、同じ作出者による品種です。
どちらも花びらの多いピンクの花を咲かせ、強い香りを持ち、春だけでなく繰り返し開花します。よく似た特徴を持ちながら、コント・ドゥ・シャンボールの鮮やかな濃いピンクに対し、ジャック・カルティエは明るくやわらかなピンクです。並べて見ると、それぞれの色と花形の違いがよくわかります。
品種名は、16世紀に北米を探検したフランス人、ジャック・カルティエにちなみます。19世紀に作られたバラへ、さらに300年以上前の人物の名が付けられ、その品種を今も庭で育てていると思うと、不思議な時間の重なりを感じます。
管理は木立性現代バラと同じ
オールドローズだからといって、特別な管理はしていません。扱いは木立性の現代バラそのもので、普通に剪定すれば、そこから枝を伸ばして花を咲かせます。
病害虫も、これまで見たことがありません。少なくともこの庭では、古い品種であることを意識せず、現代の木立性バラと同じ感覚で育てられる丈夫なバラです。
京成バラ園でも買える数少ないオールドローズ
ジャック・カルティエは、京成バラ園芸で取り扱いのある、数少ないオールドローズのひとつでもあります。古い品種は専門店でなければ見つからないことも多いなか、身近な大手のバラ園から入手できるのは珍しいことです。
京成バラ園芸では「オールドローズ・その他」に分類され、鉢花としても販売されています。花形や香りだけでなく、育てやすさも高く評価されている品種です。