資産設計税金

税理士法とライフプランニングにおける注意点

税金は家計や将来設計と切り離せません。一方で、相談者の事情に即して税額を判断したり申告書を作成したりする行為は、税理士法により資格者へ限定されています。

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税金

ライフプランニングでは、住宅購入、保険、資産運用、退職、相続など、さまざまな場面で税金を考慮します。しかし、相談者の事情に即して税額などを判断することは、一般的な情報提供とは異なります。

税理士の三つの独占業務

税理士法第2条は、他人の求めに応じ、租税に関する次の事務を業として行うことを「税理士業務」と定めています。

税務代理

納税者に代わって申告や申請を行い、税務調査などに対応することです。

税務書類の作成

確定申告書や申請書など、税務官公署へ提出する書類を自己の判断に基づいて作成することです。単なる代書は含まれませんが、記載する金額を判断すれば、入力補助という名称でも該当する可能性があります。

税務相談

申告、課税標準、税額などの計算に関する具体的な質問へ答え、指示や意見を示すことです。

有償無償は問わない

「業とする」とは、反復継続して行うこと、またはその意思をもって行うことです。税理士法第52条により、税理士などでない者がこれらを行うことは、原則として報酬の有無を問わず禁止されています。

一般的な情報提供と税務相談の境界

税制の一般的な説明や、公表された税率・控除額の紹介まで一律に禁止されているわけではありません。境界となるのは、相談者固有の事情へ税法を当てはめ、結論を示すかどうかです。

一般的な情報提供税務相談に当たる可能性がある対応
国税庁の資料に沿って制度を説明する相談者が控除を使えるか判定する
公表された税率や非課税制度を紹介する相談者の資料を基に税額を計算する
一般的なモデルケースを示す税負担を減らす方法を個別に指示する
税務上の論点を整理して税理士へつなぐ申告書の項目や金額を判断して入力する

「参考計算」や「シミュレーション」という名称でも、実質的に個別の税務判断を示せば税務相談に該当する可能性があります。

不動産会社による確定申告の代行

不動産投資の勧誘や購入後のサービスとして、不動産会社が確定申告書の作成を代行するケースがあります。しかし、税理士資格を持たない不動産会社やその従業員が、必要経費や減価償却費を判断し、申告書へ記載する金額を計算して作成することはできません。無料サービスであっても同じです。

領収書の整理や会計ソフトの一般的な操作説明と、申告書の内容を判断して作成することは別です。「申告サポート」「入力補助」という名称でも、実際に不動産会社側が税務判断や申告書作成を行えば、税理士法違反となります。

不動産会社が税理士を紹介することや、納税者が税理士へ正式に申告業務を依頼することは、この代行とは異なります。誰が契約を受け、誰の判断と責任で申告書を作成するのかを確認する必要があります。

税金を含む将来予測の扱い方

ライフプラン表では、給与明細などに記載された現在の手取り額を出発点にできます。将来分は、現状の手取り率や一定の仮定値を使う方法があります。その場合は、次の点を明示します。

  • 数値は将来の税額を算定したものではなく、資金計画上の仮定である
  • 税制改正や収入、家族構成の変化により結果は変わる
  • 申告や取引の判断に使う税額は、税理士または税務署へ確認する

ただし、「概算」と表示するだけで税務相談に当たらなくなるわけではありません。

税理士と連携するタイミング

次のように個別判断が必要な場面では、税理士へつなぎます。

  • 不動産の売買、保険金、退職金にかかる税額を知りたい
  • 相続や生前贈与の方法を決めたい
  • 申告の要否や適用できる控除を判断したい
  • 申告書の作成や税務署への対応が必要になった

CFP資格を取得して幅広く学んでも、相談が具体的になるほど税理士法の壁にぶつかる場面が多く、その業務範囲の狭さには正直うんざりすることもあります。試験に登場するCFP認定者は税理士資格まで持っていることがあり、「いくらなんでもそれはずるい」と感じてしまいます。

まとめ

ライフプランニングでは税制の一般的な情報を提供できますが、相談者の事情に税法を当てはめ、適用関係や税額を判断することは税務相談に当たる可能性があります。その段階で税理士へ連携することが重要です。

参考資料

NOTE

本記事は税理士法上の一般的な考え方を紹介するものであり、個別の事案について法律上または税務上の判断を示すものではありません。

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