ハスの鉢に、小さな水田ができた

ハス〈桃紅宿雨〉を育てる鉢。田んぼの土に眠っていた植物たちが次々と姿を見せ、春から夏にかけて、水田の縮図のような光景ができていました。

ハス鉢に小さな水田

ハスと水田の植物が育つ鉢

春にハス〈桃紅宿雨(とうこうしゅくう)〉の種を蒔いて8月まで育てたものです。水を張った鉢に田んぼの土を入れ、まず待っていたのはハスの芽です。ところが、そこから顔を出したのはハスだけではありませんでした。

土に混じって運ばれてきた種や胞子が目を覚まし、水の中と水面に、それぞれの居場所をつくり始めたのです。

土から現れた植物たち

水面から葉を立ち上げたのは、コナギとホタルイ。水際には小さなミゾハコベが広がり、水中ではシャジクモが細い枝を輪生させています。さらに水面には、ウキクサとアオウキクサが浮かびました。

どれも意図して植えたものではありません。乾燥した田んぼの土を鉢に入れ、水を張ったことで、土の中に残っていた命が自然に動き出したものです。

この環境がよかったのか、メダカの卵が自然に孵化しており、いつの間にか大きくなっていました。メダカが食べきれないほどのミジンコが勝手に沸いてきたのも印象的でした。

ミズハコベでにぎわう鉢

若いハスの葉とミズハコベが広がる春の鉢

こちらは別の鉢にハス〈王鸝(おうり)〉のレンコンを植えて、4月に撮影したもの。

ミズハコベが茂っています。パールグラスのようなかわいらしさがありますが、油断するとあっという間に鉢の中が埋め尽くされてしまいます。

一本ずつは頼りなく見えるミズハコベも、これだけ数が増えると、水底から水面まで明るい緑で満たします。大きな丸い葉を広げようとするハスと、その足元に細かな模様をつくるミズハコベ。同じ鉢の中で、それぞれの植物が異なる場所を使っています。

二つの鉢にできた、水田の縮図

いずれも水田でよく見られ、稲作では雑草として取り除かれる植物や藻類です。狙って同じ顔ぶれを発生させるのは難しいのに、田んぼの土に水を張ると、思いがけない種類が次々と現れます。

ビオトープでは外来の水草をポット苗で植えてしまいがちですが、田んぼの土に水を入れて放っておくだけという楽しみ方もよいものです。小さなハス鉢のわずかな量の土でも、これだけたくさんの水草が生えてくるのは興味深いです。

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