ビオトープを作ったら、庭の害虫が減った
水を飲みに来るアシナガバチ、姿を消したチュウレンジハバチの幼虫、アブラムシを食べながら庭を巡回するテントウムシ。小さな水辺を作ってから、庭の生き物同士の関係が見えるようになりました。

ビオトープを作ってから、アシナガバチが水を飲みに来るようになりました。水辺に降り、しばらく水を取ってから飛び去っていきます。一度きりではなく、庭の中に水場があることを覚えたかのように、繰り返し姿を見せます。
その頃、バラでは別の変化が起きていました。葉についていたチュウレンジハバチの幼虫が、農薬を散布していないにもかかわらず、いつの間にかいなくなっていたのです。
さらに、以前はバラにつきやすかったアブラムシも大発生しなくなりました。こちらはテントウムシが庭を巡回し、アブラムシを捕食しているところを実際に確認しています。
水場を見つけたアシナガバチ
アシナガバチがビオトープを訪れる目的として、まず目に見えたのは水です。鉢の縁や水面近くに止まり、水を飲んでいる様子が観察できました。

水場になったのは、レンコンを植えて水を張った鉢です。5月には浮葉が水面を覆い始め、6月には立葉と蕾が伸びるまでになりました。
ビオトープを作る前にも庭のどこかへ来ていたのかもしれません。しかし、水場ができてからは、こちらが存在に気づく機会が明らかに増えました。小さな水辺は、水生生物だけでなく、飛んでくる昆虫にも利用されています。
バラから消えたチュウレンジハバチの幼虫

チュウレンジハバチの幼虫は、集団でバラの葉を食べます。見つけた時点では複数いましたが、今回は捕殺も農薬散布もしていません。それでも後日確認すると、幼虫の姿がなくなっていました。
アシナガバチは幼虫などを狩るため、庭を訪れた個体が捕食した可能性はあります。ただし、実際にチュウレンジハバチの幼虫を運び去る場面を見たわけではありません。鳥など別の捕食者に食べられた、幼虫が移動した、あるいは別の理由で減った可能性も残ります。
アブラムシを食べるテントウムシ

アブラムシについては、捕食する場面を確認できました。テントウムシが庭を巡回するようにバラの葉や茎を移動し、見つけたアブラムシを食べています。
アブラムシがまったくつかなくなったわけではありません。それでも、以前のように一面を覆うほど増える前にテントウムシが現れ、大発生には至らなくなりました。農薬を散布して害虫をゼロにするのではなく、少数の害虫と、それを餌にする生き物が同じ庭にいる状態です。
ビオトープは、鉢の外にも影響する
水を張った鉢の中だけを見れば、ビオトープは小さな環境です。しかし、そこへ水を飲みに来た生き物は、また庭の別の場所へ移動します。
アシナガバチとチュウレンジハバチの幼虫については、今回の観察だけで因果関係を決めることはできません。一方、テントウムシがアブラムシを捕食する様子は確認できました。水辺を一つ作ったことが直接の原因かどうかは別として、農薬を使わずに見守ることで、庭の中に捕食する側とされる側の関係ができています。
今後は、アシナガバチが訪れる時間帯や頻度、バラの周辺で狩りをしているかどうかに加え、テントウムシとアブラムシの数が季節によってどう変わるかも観察していきます。